この記事では、「変動金利のリスクとその対策」について解説していきます。
変動金利は、年に2回見直しがされることが一般的です。そのため、変動金利で住宅ローンを借りるとどうしても特有のリスクを背負うことになります。
事前に具体的な目標を設定しておくことで、金利上昇のリスクを最小限に抑えることが可能です。
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変動金利の金利上昇リスク
変動金利のメリットは固定金利より金利が低いことですが、返済期間中、半年に一度、その時点の市場金利に合わせて見直され、金利の上昇リスクがあります。
すると、「金利が上がり始めたら固定金利に切り替えよう」と考える人もいるかもしれませんが、そうはなかなかうまくいきません。
なぜならば、固定金利の新規貸し出し金利は毎月変わっているからです。
固定金利のほうが変動金利よりも先に上昇始めるのが経済の仕組みとしての通例ですので、切り替えは難しいのです。
つまり、安心を求めて変動金利から切り替えようとした時にはそれ以上に固定金利も上がっている可能性が高いのです。
心理的にも、仮に今まで変動金利0.8%、全期間固定金利1.3%の関係で変動金利を選んでいた人が、変動金利1.1%、同じく全期間固定金利1.6%に上昇した時点で切り替えるのは相当な決心が必要です。
その時点になれば、変動金利で借りたままのほうが金利で得だからです。
結局、変動金利が固定金利を上回るようになるまで借り換えられないのです。
金利変更の具体的な目標を決めておこう
「金利が上がったら変動金利から固定金利に変更しよう」と思っていても、それは大変難しいということは上記で説明したとおりです。
そこで、変動金利で住宅ローンを借り初めた人に必要なのは、「金利がこれくらい上がったら固定金利に変更する。上昇幅が大きければ借り換えも検討」という具体的な目標を事前に設定しておくことです。
たとえば、もし金利が上昇し始めたときの心得として、変動金利を選んだ場合、返済が始まる最初の時点で「固定金利が〇%になったら、変動金利から固定金利に変更する」と決めておき、毎月固定金利をチェックする習慣を身につけましょう。
変動金利で借りているのに固定金利に注目するのは、固定金利のほうが先に上昇し始めるためです。
では、固定金利が何%になったら、変動金利から変更すべきなのでしょうか。
金利の動向は経済の専門家でもわからないことなので、一概には言えませんが、変動金利と固定金利の差が小さいほど固定金利の「コストが高い」というデメリットは小さくなります。
そこで注目するべきはこの約10年間の変動金利と全期間固定金利の金利差の平均値を求め(2017年では1.23%)、この差を超える前に固定金利に変更もしくは借り換えをすれば、平均的には得をする可能性が高いといえます。
たとえば、変動金利0.9%で借りていたら、固定金利が2.12以上にならないうちに固定金利に変更するのが望ましいということになります。
このように金利上昇に備えながら返済していくことが、「予定より返済額が膨らんで家計が圧迫されていまう…」といった変動金利のデメリットを避ける秘訣です。
繰り上げ返済は家計とのバランスを考えて
変動金利で住宅ローンを借り始めた人が金利上昇のリスクに備えるためには、定期的に繰り上げ返済をするのも選択肢の一つです。
ただし、この時は教育費や住宅修繕費などとの兼ね合いを考えなければいけません。
必要以上に手元の現金を減らしてしまうことのないよう、家計とのバランスで繰り上げ返済の計画を立てる視点を忘れないようにしたいとことです。
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