住宅ローン

住宅ローンの返済総額やリスクを抑える方法

【住宅ローン】返済総額やリスクを抑える方法

住宅ローンは金融商品です。

そのため、利益(返済総額の減額)を求めるとリスクが上昇します。

しかし、リスクを全く取らないと最大限の返済総額が課されてしまいます。


どの程度のリスクの取り方がよいのかは人によって異なります。

住宅ローンの「金利タイプ」や「借り方」「返し方」を理解することで、自身に合った返済プランが見えてくるはずです。



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金利や金利タイプの選び方で返済総額は大きく変わる

金利や金利タイプの選び方で返済総額は大きく変わる

金利の違いなどによって、どれくらい総返済額に差が出るのか見てみましょう。


3000万円を35年間、一定の金利(前期固定金利)で借りた場合、返済総額は下記のとおりです。

  • 金利1.4%で3796万円
  • 金利1.5%で3858万円


わずか0.1%の違いで、約62万円もの差が生まれてしまいます。

借入金額3,000万円を借り入れた場合の比較
  A商品 B商品 C商品
金利 1.4% 1.5% 1.5% 当初10年0.7%
11年目以降2.5%
返済期間 35年 35年 30年 35年
毎月返済額 90,392円 91,855円 103,536円 当初10年80,556円
11年目以降99,433円
総返済額 約3,796万円 約3,858万円 約3,727万円 約3,950万円


ちなみに、2020年では、全期間固定金利の商品の最低金利と最高金利の差は2.52%です。

上記の条件で総返済額を比較すると、じつに約1700万円もの違いになります。

もはや損得レベルの話ではなく、人生を左右する問題といえます。


また、同じ3000万円を、金利が変動するタイプの商品(変動金利)で借りた場合を考えてみましょう


当初10年間は0.7%と先ほどの全期間固定金利の約半分の金利で借りられたとします。

ところが、11年目以降、金利が2.5%に上昇したとすると、35年間の総返済額は3950万円となり、全期間固定金利1.5%と比べて約92万円損することになります。


もちろん、金利の変動の仕方によっては、逆に得するケースもあります。ただ、いずれにしても、当初の金利だけで単純に商品の損得は判断できないことがわかると思います。



「借り方」「返し方」も総返済額に大きく影響する

「借り方」「返し方」も総返済額に大きく影響する

商品選びも大切ですが、「借り方」「返し方」によっても、総返済額には大きく変わってきます。

たとえば、3000万円を全期間固定金利1.5%で、返済期間35年と返済期間30年で借りた場合で比較すると、上表にあるとおり、返済期間30年のほうが総返済額で約131万円得をします。

そのぶん、毎月の返済額の負担は1万1681円増えます。


また、「返し方」についても同様です。毎月の返済額とは別に元金の一部を返済することを「繰上げ返済」といいます。

元金が減る分、支払利息も減り、総返済額も減ります。


たとえば、3000万円を全期間固定金利1.5%、返済期間35年で借り入れ、3年後に200万円繰り上げ返済した場合、総返済額で約114万円、返済期間で2年10ヵ月圧縮されます。

借入金額3000万円、全期間固定金利1.5%、返済期間30年、
借入れてから3年後に200万円の繰り上げ返済をした場合
  繰上げ返済
しなかった場合
繰上げ返済
した場合
繰上げ効果
毎月返済額 91,855円 91,855円 0円
返済期間 35年 32年2ヵ月 ▲2年10ヵ月
総返済額 約3,858万円 約3,744万円 ▲約114万円

 

このように、「借り方」「返し方」とも、早く返せば返すほど、総返済額は減ります

ただし、返済を早めれば、手元の現金が減るため、急な出費が必要になったときなどのリスクを高めることになります。


ここで覚えておきたいのは、住宅ローンの契約書にもある「期限の利益」という言葉です。

これは「返済期限まではお金を返さなくていい」という、借り手の”権利”を表すものですが、それは金融機関側から見れば、借り手に利益を与える認識なのです。


つまり、長い間、お金を借りられるというのも、借り手の利益なのです。

しかもこの利益はローン契約を結んだ後で得る(返済を伸ばす)ことは原則できません。

返済期間を短縮して総返済額を減らすのは一方で期限の利益を手放すことでもあるのです。


ですから、初めはできるだけ返済期間を確保し、その後、様子を見ながら徐々に期限の利益を手放していくのが、借り方・返し方の基本となります。



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