ファンダメンタル分析

自己資本比率とは?自己資本比率の計算式と業種別平均

ファンダメンタル分析、自己資本比率


ビギナー
株式の購入を考えている会社が倒産しないか知りたい。


銀行などからの借入金が少ない会社は、安定している会社といえます。
筆者


この記事では、ファンダメンタル分析の一つ「自己資本比率」について解説していきます。


自己資本比率を理解すれば、会社の「安全性」を知ることができます。


 

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自己資本比率とは

自己資本比率とは

自己資本比率とは、会社の総資本のうち、どの程度が自己資本(純資産)でまかなわれているかを表した指標です。


会社のお金は、「自己資本」と「他人資本」の2つに分けることができます。


「自己資本」は主に、株主から集めたお金や会社が稼いだ利益の蓄積から成り立ちます。一方、「他人資本」は銀行からの借入や社債になります。


株主からの資金調達がメインである「自己資本」は、業績が好調なときには株主に対して配当金を支払うことがありますが、業績が悪くなったときには配当金の支払いを見送ることもできます。


一方、 借入金は業績が良くても悪くても関係なく約定どおりに利息を行う必要があります。


つまり、自己資本の多い会社の方が安定して会社運営を行っていける優良な会社といえます。


自己事本比率の目安

業種にもよりますが、一般的には下記の基準が目安となっています。

  • 40%以上:安全性に問題なし
  • 30%以上:注意が必要なレベル
  • 20%以上:危険なレベル


一時的な借入を行って、巨額の設備投資をしたときには自己資本比率は低下するので、数年間の推移で判断する必要があります。


自己資本比率から会社の独立性がわかる

自己資本比率から会社の独立性もわかります。


自己資本比率が小さいほど、他人資本の影響を受けやすい不安定な会社経営を行っていることになります。また、他社から敵対的買収をされやすく、会社の独立性が不安定な状態です。


自己資本比率が高いほど経営は安定し、倒産しにくい会社となります。自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいのです。


銀行の自己資本比率

銀行の自己資本比率は極端に低いので、判断する時には注意が必要です。


銀行の場合、預金を企業などに貸し出すことが業務なので、預金は債務に相当します。

よって、一般的な企業に比べて負債が多額なので、自己資本比率はとても低くなります。


また、銀行の場合、ある一定の率を超えていなければならないという規則があります。

  • 国内業務のみの銀行:自己資本比率4%以上が必要
  • 海外業務も行う銀行:自己資本比率8%以上が必要



自己資本比率を求める計算式

自己資本比率を求める計算式

自己資本比率の計算式は下記のとおりです。

$$自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100%$$


自己資本比率が高いほど銀行などからの借入金がすくなく、安全性の高い会社といえます。


自己資本比率を実際に計算してみる

自己資本比率を実際に計算してみる

自己資本比率を求める計算を実際にしてみましょう。


計算式に必要な「自己資本」と「総資本」は『貸借対照表』に記載されています。会社のホームページへ行き、IR情報から確認できます。


今回は、トヨタ自動車の決算書を使って自己資本比率を計算していきます。


トヨタ自動、車決算2018年4月1日から2019年3月31日まで

$$(643,134÷1,628,700)×100=39.48%$$


トヨタ自動車の自己資本比率は39.48%でした。



自己資本比率の目安と業種別平均

自己資本比率の目安と業種別平均

業種によって自己資本比率は異なるので、他の会社と比較するときは同業種で行う必要があります。


業種別の平均値を知ることで、企業に求められる自己資本比率の目安がわかります。


主な業種の自己資本比率は下記のとおりです。

業種別の自己資本比率(平均)
原油,天然ガス鉱業 71.84%
通信業 62.43%
農業 58.61%
その他の製造業 57.35%
精密機械器具製造業 55.34%
電気機械器具製造業 54.96%
一般機械器具製造業 53.93%
その他サービス業 53.45%
食料品製造業 52.69%
映画業 51.48%
鉄鋼業 51.30%
金属製品製造業 50.91%
繊維工業 49.94%
出版,印刷,同関連産業 49.66%
倉庫業 49.33%
ゴム製品製造業 48.87%
窯業,土石製品製造業 47.85%
輸送用機械器具製造業 46.09%
金属鉱業 45.94%
小売業 45.43%
卸売業 44.25%
ガス業 43.89%
パルプ、紙、紙加工品製造業 43.63%
非鉄金属製造業 43.40%
石炭鉱業 40.84%
木材,木製品製造業 39.26%
石油製品,石炭製品製造業 39.23%
運輸に付帯するサービス業 38.28%
道路運送業 38.10%
娯楽業 36.33%
証券業 35.73%
林業 35.27%
不動産業 34.28%
水運業 29.31%
民営鉄道業 26.39%
航空運輸業 25.65%
旅館業 24.88%
保険業 24.76%
皮革,同製品製造業 24.63%
漁業 22.00%
電気業 19.24%
銀行,信託業 9.36%
建設業 -2,177.04%

 


自己資本比率を比較する

自己資本比率を比較する

自己資本比率を他社と比較する方法を解説していきます。比較する会社には、ふさわしい会社を選ぶ必要があります。


比較会社は会社四季報で確認できる

会社四季報 比較会社

目当ての会社を他社と比較するときに便利なのが、「会社四季報」です。


会社を比較するときに重要なのが、「同業種」であることと「会社規模」が近いことになります。


会社四季報には、上記の条件に当てはまるライバル企業を掲載しています。



自己資本比率を実際に比較してみる

売上高営業利益率を実際に比較してみる

自己資本比率を使って実際に比較してみましょう。


トヨタ自動車の場合、比較会社は「日産自動車」「ホンダ」「スズキ」になります。


比較データは、2019年3月期の決算要旨です。

自己資本比率の比較
トヨタ自動車 39.48%
日産自動車 29.67%
ホンダ 41.94%
スズキ 50.43%


トヨタ自動車は比較会社の中で二番目に低い結果になりました。


まとめ

まとめ

自己資本比率とは、会社の総資本のうち、どの程度が自己資本(純資産)でまかなわれているかを表した指標です。


比率にして表すことによって、他社との比較が可能になり、優れた会社を簡単に発見することができます。


自己資本比率が高いほど経営は安定し、倒産しにくい会社となります。自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいのです。


業種によって自己資本比率の平均は異なるので、他の会社と比較するときは同業種で行う必要があります。


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