この記事では、グループ会社全体の親会社が作成する「連結貸借対照表」について解説していきます。
連結貸借対照表には、普通の貸借対照表にはない特有のルールがありますが、基本的には普通の貸借対照表と同じです。
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連結貸借対照表とは
連結貸借対照表とは、グループ会社を一つの会社とみなして作成される、貸借対照表です。
連結貸借対照表は、基本的な構造は普通の貸借対照表と変わらず、グループ会社全体の財務状態を示しています。
しかし、単純に個々の会社の財務諸表を合算するだけでなく、会社間での債権を消去(債権債務の相殺消去)したり、親会社の投資と子会社の資本を消去(投資と資本の相殺)して作成されます。
連結貸借対照表と子会社、関連会社の貸借対照表を見比べることで、その子会社、関連会社がグループ会社全体の売上にどの程度貢献しているのかがわかります。
連結貸借対照表の「債権債務の相殺消去」とは
連結貸借対照表ではグループ会社間で「債権債務の相殺消去」をすることになります。これにより、精度の高い貸借対照表が完成します。
たとえば、親会社が子会社の商品を100万円で買った場合、親会社は子会社に対して100万円の売掛金、子会社は親会社に対して、100万円の買掛金が生じます。
しかし、これらはグループ会社外に対する債権債務ではないので、連結貸借対照表を作成する際には相殺されます。
この「債権債務の相殺消去」がないと、本来の価値以上の売掛金を計上するなどして売上高を水増しし、会社の規模や成長を大きく見せることができてしまいます。
投資家や銀行、取引先などの利害関係が正確な業績を把握するためにも、「債権債務の相殺消去」は必要なのです。
連結貸借対照表の少数株主持分とは
連結貸借対照表には、「少数株主持分」という項目が設けられています。少数株主持分は「非支配持分」ともいわれます。
「少数株主」とは、たとえば、親会社が子会社の株を90%保有していた場合、その他の10%を保有している株主のことで、その株主の持分はまとめて「少数株主持分」と連結貸借対照表に記載されます。
したがって、投資と資本を相殺消去する場合は、親会社に帰属する部分は親会社の投資勘定と相殺消去し、少数株主に帰属する部分は少数株主持分勘定に振り替えることになります。
上記の条件の場合、子会社の「純資産の部」がすべて資本で、その資本金が1億円だった場合、親会社の投資額は、9,000万円で、残りの1,000万円が少数株主持分による投資となり、少数株主持分は1,000万円と表示されます。
親会社と子会社の貸借対照表上で相殺される項目
親会社は子会社に出資し、株式を保有しているため、親会社の貸借対照表には子会社への出資額が「子会社株式」として計上されます。
一方、子会社の貸借対照表には、親会社から出資してもらっている分は「純資産の部」にある資本金、資本剰余金、利益剰余金として計上されます。
この2つは連携貸借対照表を作成する際には相殺されるため、連結貸借対照表上の資本金は親会社の資本金と同額になります。
まとめ
連結貸借対照表とは、グループ会社を一つの会社とみなして作成される、貸借対照表です。
連結貸借対照表は、基本的な構造は普通の貸借対照表と変わらず、グループ会社全体の財務状態を示しています。
連結貸借対照表ではグループ会社間で「債権債務の相殺消去」をすることになります。これにより、精度の高い貸借対照表が完成します。
連結貸借対照表には、「少数株主持分」という項目が設けられています。少数株主持分は「非支配持分」ともいわれます。
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