この記事では、損益計算書の「人件費」について解説していきます。
人件費は、損益計算書にでてくる費用の一つです。
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人件費とは
人件費とは、会社で働く「人」に関わる費用のことです。人件費には従業員に支払われる給与をはじめ、雇用によって発生する様々な費用が計上されます。
「損益計算書」の「販売費及び一般管理費」のなかには、「給料」など、いわゆる「人件費」に該当するものが含まれています。
人件費には、社員の給料や賞与、役員の報酬以外に、健康保険や失業保険、労働保険などの社会保険が含まれます。
ほかにも、健康診断や慰労関連費、慶弔見舞金などの福利厚生費や退職金も含まれます。
さらに社員の交通費や住宅手当などの各種手当金なども該当します。
人件費は、通常は一般管理費として計上することが多いですが、製造業では、工場勤務者の賃金を「製造原価」として扱い、「売上原価」に計上します。
人件費は英語で「Labor costs」と表示されます。
人件費の内訳
人件費には給料や賞与だけでなく、さまざまなものが含まれます。
人件費に含まれる、主な項目は下記のとおりです。
その1:給料
その2:賞与
その3:役員報酬
その4:福利厚生
その5:退職金
それぞれわかりやすく説明していきます。
その1:給料
給料とは、従業員に支払われる「給与」のことです。
ひとことで「給料」といって、そこにはさまざまなものが含まれます。
「基本給」や「歩合給」のほか、残業をした時の「時間外手当」や、「家族手当」といった手当ても含まれます。
ほかにも「通勤定期代」などもこれに該当します。
なお、パートやアルバイトなどの授業員に支払われる給与は、「雑給」として処理されることもあります。
その2:賞与
賞与とは、従業員に支払われる「ボーナス」のことです。
一般的には年2回支給される特別給与的なものですが、近年では欧米型の特別報酬として臨時支給型に切り替える会社も増えています。
会社によっては、賞与で支払う金額をあらかじめ引当金として設定している会社もあります。
その3:役員報酬
役員報酬とは、取締役や監査役などの幹部社員への給与や報酬がこれに当たります。
なかには、人件費として計上しない会社もあります。
その4:福利厚生
福利厚生とは、会社が従業員に対して通常の賃金・給与にプラスして支給する非金銭報酬のことです。
会社の福利厚生の対象は従業員だけでなく、その配偶者や家族、あるいはかつて従業員だった者にまで及ぶことがあります。
福利厚生に含まれるものは、健康保険や厚生年金保険料などの社会保険や社員旅行費、厚生施設の費用などです。
ほかにも、慶弔見舞金など、幅広い範囲で適用されます。
その5:退職金
退職金とは、社員の退職時に支払う慰労金のことです。
企業会計では、積立金の不足分を「退職給付引当金」として負債計上します。
人件費には直接費と間接費がある
人件費は、直接費と間接費によって計上される場所が異なります。
製造や開発などで売上げに直接かかわる人員の人件費は直接費となり、「売上原価」として計上されます。
一方、会社の管理部門で働く総務や経理などで働く労働者は、直接売上にも販売にも携わっていないため、間接費として「一般管理費」として計上されます。
人件費を一人当たり幾ら払えるのかは、労働生産性でわかる
従業員の人件費に幾ら支払うことができるのかは、労働生産性を調べることでわかります。
(人件費を支払っても赤字にならない金額を知ることができます。)
従業員が平均してどれだけ会社に貢献しているかを調べるためには、従業員一人あたりの付加価値を求めることでわかります。
従業員一人あたりの付加価値のことを「労働生産性」といいます。
労働生産性を求める計算式は下記のとおりです。
$$労働生産性=付加価値(売上総利益)÷従業員数$$
たとえば、売上総利益が1億円で従業員が20人の会社があったとします。この場合の従業員一人あたりの付加価値は下記の計算式で求めることができます。
$$1億円÷20人=500万円$$
上記の条件の場合、従業員1人あたりの人件費を、500万円まで支払っても赤字にならないことがわかりました。
まとめ
人件費とは、会社で働く「人」に関わる費用のことです。人件費には従業員に支払われる給与をはじめ、雇用によって発生する様々な費用が計上されます。
人件費に含まれる、主な項目は下記のとおりです。
- 給料
- 賞与
- 役員報酬
- 福利厚生
- 退職金
人件費は、直接費・間接費費によって計上される場所が異なります。
従業員の人件費に幾ら支払うことができるのかは、労働生産性を調べることでわかります。
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