この記事では、ファンダメンタル分析の一つ「売上高営業利益率」について解説していきます。
売上高営業利益率を理解すれば、会社の「収益性」を知ることができます。
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売上高営業利益率とは
売上高営業利益率は、「売上高」と「営業利益」の比率を表したものです。
会社が事業としての活動から稼ぎ出す利益についての収益性が判断できますので、本業の収益力の強さが判断できます。
金額ではなく、比率としてあらわすことによって、他社と比較することが可能になます。
売上高営業利益率を見れば、ライバル企業と比べて「優れているのか」「劣っているのか」が、ひと目でわかります。
売上高営業利益率は、数値が高い会社ほど、本業で効率よく稼げていることを意味します。
例えば、A社、B社ともに売上高が100億円であり、営業利益はA社が20億円、B社が10億円だとすると、A社の売上高営業利益率が20%、B社の売上高営業利益率が10%ということになります。
両社とも同じ売上高でありながら、実際はA社の方が2倍効率よく稼げていることになります。つまり、A社の方がよい会社ということになります。
売上高とは
売上高営業利益率を求める計算式に必要な、「売上高」を説明していきます。
売上高とは、企業の主たる商品やサービスを提供することによって得られた売上の合計額です。売上と呼ばれることもあります。
例えば、単価が100円で販売している商品が1つ売れると、売上高は100円となります。
また、決算期間(ある1年間)に商品が10個売れると、1,000円の売上高が計上されます。
営業利益とは
売上高営業利益率を求める計算式に必要な、「営業利益」を説明していきます。
営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益のことです。
売上高から売上原価を差し引いた「売上総利益」から、さらに「販売費および一般管理費」を差し引いて算出します。
「売上原価」とは、製品を作るための原材料などにかかる費用のことです。
「販売費及び一般管理費」とは、人件費、広告費、光熱費、家賃などの費用のことです。
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売上高営業利益率は会社の組織力をあらわす
売上高営業利益率を見れば、会社の組織力を判断することができます。
会社の利益は、「本業で稼ぐ『営業利益』」と「本業以外で稼ぐ『営業外利益』」があります。
売上高営業利益率は売上高に占める営業利益の割合ですので、会社の本来の実力、本業で儲ける力や会社の管理効率を示しています。
つまり、売上高営業利益率が高いということは、利益を稼ぎ出す組織やしくみが完成されていることであり、組織力の高さをあらわします。
売上高営業利益率を求める計算式
売上高営業利益率の計算式は下記のとおりです。
$$売上高営業利益率(%)=(営業利益÷売上高)×100$$
売上高営業利益率が高いほど、本業で効率よく稼げていることを意味しています。
売上高営業利益率を実際に計算してみる
売上高営業利益率を求める計算を実際にしてみましょう。
計算式に必要な「売上高」と「営業利益」は『損益計算書』に記載されています。会社のホームページへ行き、IR情報から確認できます。
今回は、トヨタ自動車の決算書を使って売上高営業利益率を計算していきます。
トヨタ自動、車決算2018年4月1日から2019年3月31日まで
$$(2,467,545÷30,225,681)×100=8.16%$$
トヨタ自動車の売上高営業利益率は8.16%でした。
売上高営業利益率の目安と業界平均
業種によって売上高営業利益率の平均値は異なるので、他の会社と比較するときは同業種で行う必要があります。
業種別の平均値を知ることで、企業に求められる売上高営業利益率の目安がわかります。
主な業種の売上高営業利益率 | |
製造業 | 4.7% |
情報通信業 | 6.9% |
卸売業 | 1.4% |
小売業 | 2.7% |
飲食・サービス業 | 3.9% |
小売業や卸売業が低いのは、付加価値をつけにくいためです。
売上高営業利益率を比較する
売上高営業利益率を他社と比較する方法を解説していきます。比較する会社には、ふさわしい会社を選ぶ必要があります。
比較会社は会社四季報で確認できる
目当ての会社を他社と比較するときに便利なのが、「会社四季報」です。
会社を比較するときに重要なのが、「同業種」であることと「会社規模」が近いことになります。
会社四季報には、上記の条件に当てはまるライバル企業を掲載しています。
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売上高営業利益率を実際に比較してみる
売上高営業利益率を使って実際に比較してみましょう。
トヨタ自動車の場合、比較会社は「日産自動車」「ホンダ」「スズキ」になります。
比較データは、2019年3月期の決算要旨です。
売上高営業利益率の比較 | |
トヨタ自動車 | 8.16% |
日産自動車 | 2.74% |
ホンダ | 4.57% |
スズキ | 6.49% |
トヨタ自動車は比較会社の中で一番高い結果になりました。効率よく稼げているということになります。
まとめ
売上高営業利益率は、企業が事業としての活動から稼ぎ出す利益についての収益性が判断できますので、本業の収益力の強さが判断できます。
売上高営業利益率が高いほど、本業で効率よく稼げていることを意味しています。
業種によって売上高営業利益率は異なるので、他の会社と比較するときは同業種で行う必要があります。
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