物件価額の9割を超えて「フラット35」を利用する場合には、全体の融資金利が通常よりも高くなってしまいます。
そのため、「フラット35」の利用額を9割以下に抑え、足りない分は民間住宅ローンから借りる方法により、金利を下げることができます。
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融資率9割超の場合は「+0.26%」の金利になる
フラット35の「融資率」は、「フラット35の借入金額÷所要資金(建設費または購入価額等)から計算されます。
冒頭に解説しているように、この割合が9割を超えると、フラット35の借入金額全体に対して通常よりも高い金利(+0.26%)が適用されてしまいます。
貸出に積極的な金融機関の中には、これより有利な長期の固定金利型ローンを取り扱っているところもありますので、全期間固定金利型はフラット35が有利と決めつけずに、さまざまな商品と比較してみることが重要です。
「フラット35パッケージ」のタイプ
しかし、魅力的な住宅ローンというのは審査も厳しいのが現実です。
どうしても長期の固定金利型で借りたい場合、職業や年収などの状況によっては、審査の基準が緩やかな「フラット35」の利用を選ばなければならないこともあります。
そこで検討したいのが「フラット35パッケージ」です。
この商品は、フラット35を申し込んだ金融機関等の住宅ローンと「フラット35」を一体的に利用する方法の総称です。
「すまい・るパッケージ」という統一名称や「パッケージローン」などの商品名で呼ばれています。
おもな特徴としては下記の4つの点が挙げられます。
- 融資の申し込みは2つのローンで共有される
- どちらもフラット35の基準で審査を行う
- パッケージ(民間)の金利水準は基本的に高い
- 同じ返済期間で利用する
「フラット35から借りられない金額(以前の融資上限は9割だった)」を融資するために始まった制度なので、「パッケージ分」の融資上限は物件価額等の1割が原則です。
担保が2番抵当となるため、取扱機関は住宅金融支援機構の「住宅融資保険」を利用します。
このコストにより「パッケージ分」の融資金利は低くできません。
一部の取扱機関では優遇金利の適用もありますが、この場合は融資手数料が高額に設定されています。
フラット35を「10割融資」で利用するよりも有利なのかは、金利や手数料の水準で変わっていきます。
「フラット35+併せ貸し」のタイプ
「フラット35+併せ貸し」のタイプとは、フラット35との「パッケージ(一体型)」ではなく、2つのローンを独自に併用して借りるタイプです。
申込み審査は別々に行われ、異なる返済期間を利用できる場合もあります。
金融機関のスタンスは下記のとおりです。
- 「パッケージ」の代用として提供する
- 自行のローン商品の割合を多くして併用してもらうことを狙う
2の場合、「併せ貸し」は単独で借りる時と同じ金利優遇が受けられますし、一定の要件を満たすことを条件に、フラット35自体の金利や手数料などを優遇する金融機関もあります。
一方で、1のほうは住宅融資保険を利用せず、新販会社等に保証を委託して債権の保全を図ります。
このほうが「パッケージ」よりコストが低く、融資金利が下げられる場合があるからです(下表のりそな銀行などが該当します)。
民間からの利用分を物件価額等の1割までとするのであれば、フラット35自体の条件(金融機関で異なる)も確認した上で、「併せ貸し」の金利水準や手数用料を「パッケージ型」の取扱機関と比較して選びましょう。
パッケージなどの金利設定例
商品 タイプ |
合わせ融資 | フラット35 | |||||
変動金利 | 10年固定 | 手数料 | 上限 | 適用金利 | 手数料 | ||
りそな銀行 | B | 3.475% | 4.30% | 不要 | 1割 | 1.30% | ×1.87% |
A | 4.475% | 5.30% | 不要 | 1割 | |||
みずほ銀行 | A | 2.725% | 2.95% | 不要 | 1割 | 1.30% | ×1.045%※1 |
楽天銀行 | B | 1.747% | ー | 11万円~※2 | ※3 | 1.30% | 11万円~※2 |
(株)アルヒ | A | 3.195% | ー | ※4 | ー | 1.30% | 22万円~※4 |
※1:給与振込など一定の要件を満たした場合に適用される(1.045%~1.43%)。本来は1.87%
※2:11万円は最低必要額。基本は「融資金額×1.1%~1.43%」。合わせ融資の団信保険料は+0.2%
※3:パッケージ分の利用は、物件価額等に対して、1割、3割、5割のなかから選ぶ
※4:フラット35とパッケージ分の合計額に対して「×2.2%」でかかる。22万円は最低必要額
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