住宅ローン

【まとめ】住宅ローンを借りるときの注意点やポイントをすべて解説

【まとめ】住宅ローンを借りるときの注意点やポイントをすべて解説

住宅ローンは商品であり、購入することは「契約」を意味します。

契約後に「やっぱりこっちがいいので契約内容を変更したい」とはいきません。


事前に気をつけるポイントを知っておくことで後悔のしない買い物ができます。

この記事を読めば、住宅ローンを借りるときの注意点やポイントを理解することができます。


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もくじ
  1. 住宅ローンは「教育費」を考慮しないで借り入れると破綻する
  2. 住宅ローンを「修繕費」と「老後資金」を貯めながら返済するべき理由
  3. 住宅ローンの借入可能額を知りたいのならダミー物件を利用するべき
  4. 提携ローンの仕組みとメリット・デメリットをわかりやすく解説
  5. 新規借り入れ時の金利交渉の注意点
  6. 住宅ローンの返済方法は「元利均等返済」にするべき理由
  7. 頭金0円で借りて、手元に資金を残すメリットを解説
  8. リフォームを行う場合は住宅ローンとまとめて借りるとお得
  9. 住宅ローンの「ボーナス払い」や「退職金での完済」を避けるべき理由
  10. 希望借入額に不足する場合は夫婦での収入合算がある
  11. 共働きならペアローンで住宅ローン控除を2人とも享受できる
  12. 親子ペアローンと親子リレーローンの違い

住宅ローンは「教育費」を考慮しないで借り入れると破綻する

住宅ローンは「教育費」を考慮しないで借り入れると破綻する

住宅ローンの返済は35年など長期にわたります。

そのため、借入時の家計収支なら問題なくても、家族が増えたり、子どもが進学するなどして支出が増大することはよくあることです。


将来の収支を想定し、返済計画を立てて借り入れを行わないと、住宅ローン破綻を招いてしまいます。


この記事では、「ライフプランを策定する重要性」「子どもの教育費」について解説していきます。




ライフプランを策定する重要性

今現在は住宅ローンを組むことができても、将来収入が減ったり、支出が増えたりすると家計が破綻してしまいます。

そんな事態を防ぐために、やっておきたいのがライフプラン作りです。


おもな目的は「無理のない毎月の返済額」と「退職後の残債」の確認です。

残債について繰り上げ返済などで、退職前の処理を考えなくてはいけません。


あまり難しく考えず、住宅購入とともに進学やレジャーなど、家族の夢や目標を実現していく計画を検証するためのツールと考えましょう。

自分と家族に合った資金計画を見通すことにより、無理をせずに、きちんと返済していける借入額を算出することができます。


同時に、繰り上げ返済の金額やタイミング、原資の蓄財ペースを確認するのにも役立ち、計画的に残債を減らしていくことも可能になります。



教育費が増大する時期を把握する

ライフプランを策定するうえで、まずやるべきことは、生活費の大きなウエイトを占める住居費、光熱費、通信費などの固定費の見直しです。

これらは積み重ねると大きな額の支出になります。


また、家計の大きな負担になる教育費をきちんと把握しておきましょう。

区分 公立 私立
幼稚園 66万円 154万円
小学校 193万円 941万円
中学校 144万円 422万円
高校 123万円 315万円


大学
国公立 自宅 556万円
自宅外 857万円
私立文系 自宅 726万円
自宅外 1,009万円
私立理科系 自宅 905万円
自宅外 1,112万円
国公立
医学系
自宅 792万円
自宅外 1,221万円
私立
医学系
自宅 2,974万円
自宅外 3,719万円


文部科学省の調べによると、子どもが中学に進学して以降、多くの場合、家計の貯蓄は減少していき、大学進学時には赤字になるようです。

住宅ローンの返済期間と大学への進学時期が重なるのであれば、それまでに毎月の返済に影響が出ないように目標額を設定し、貯蓄しておくことが重要です。


特に、私立に進学する場合は授業料は年々上昇しているため、今後の負担はさらに増大することが予想されます。

子どもは私立へ進学することを前提に、できるだけ早めに資金計画を立てた方がよいでしょう。



住宅ローンを「修繕費」と「老後資金」を貯めながら返済するべき理由

住宅ローンを「修繕費」と「老後資金」を貯めながら返済する重要性

住宅ローンの返済は 35年など長期にわたります。

そのため、先を見通した返済計画を立てることが重要です。


なかでも忘れてはいけないのが住宅の修繕費です。

マンションなら修繕積立金が充てられるから心配ない…と思っている方もいるかもしれませんが、専有部分のメンテナンスは自分で用意しなければいけません。


借り入れ当時に、完済までの全ての支出を計算しないと住宅ローン破綻を招いてしまいます。


この記事を読めば、「住宅にかかる修繕費の目安」「老後資金はいくらかかるか」を知ることができます。




住宅は長年使うと多額の修繕費が必要になる

しっかりと返済計画に組み入れなければいけないのが「修繕費」です。

新築の場合、1~ 2年間の保証期間は無料で修理してくれますが、保証期間終了後の修理費は基本的に自己負担です。


10年、20年と長く使い続けているうちに設備が古くなると、修理できずに交換になることも考えられます。


マンション共用部の修繕は、修繕積立金が充てられますが、専有部分のメンテナンスは自分で準備しなければなりません。

戸建ての場合にも設備や内装はもちろん、外壁など建物周りの修繕費を見積もっておかなければいけません。


修繕が必要になるサイクルと目安に、何年後にはどれだけの支出が必要になるか確認しておくことが大事です。

一度に何か所も修繕するとなると、貯蓄を切り崩すしかなくなり、家計の大きな負担になってしまいます。


また将来、リフォーム工事が必要になるかもしれません。

特に屋根・外壁の塗り替えや台所等の給排水設備の改善は高額になります。

施工や建材によっても工事のサイクルは異なりますから、建築時に何年ごとに修繕したらよいか確認しておきましょう。


リフォームのためにローンを組むことも可能ですが、通常の住宅ローンよりも金利が高くなっているものがほとんどです。

住宅ローンの見直しや借り換えで浮いたお金をリフォームに回すという方法もあります。



修繕費が必要になるサイクルと費用の目安

〈設備など〉

部位 5年 10年 15~20年
キッチン 部品点検・補修・交換 設備機器の点検・交換 キッチン本体の交換
1~5万円 20~120万円 100~300万
洗面所 部品点検・補修・交換 本体の点検・交換 本体の点検・交換
1~5万円 15~30万円 15~30万円
浴室 部品点検・補修・交換 シーリング材、ドア換気扇の点検・補修・交換 ユニット本体の点検・交換
6~13万円 10~20万円 100~200
トイレ 部品点検・補修・交換 温水洗浄便座本体の点検・交換 便座本堤の点検・交換
2~8万円 10~15万円 20~30万円
給排水機器 部品点検・補修・交換 本体の点検・交換 本体の点検・交換
1~3万円 5~10万円 5~10万円
給湯器 部品点検・補修・交換 本体の点検・交換 本体の点検・交換
1~4万円 30~40万円 30~40万円


〈外壁など〉

部位 10年 20年 30年
屋根 屋根材の表面塗装など 屋根材の表面塗装など 葺き替え
40~50万円 40~50万円 100~150万円
外壁 目地の打ち替えなど 目地の打ち替えなど 外壁材の貼り換え、目地の打ち替え
30~40万円 30~40万円 外壁材200~300万円、目地30~40万円
バルコニー 防水シートの貼り換えなど 防水シートの貼り換えなど 防水パンの本体交換、防水シートの借り換え
15~35万円 15~35万円 防水パン40~50万円、防水シート15~35万円



退職金は「老後資金」のために使う

退職金は「老後資金」のために使う

30代で住宅ローンを返済期間 35年で組んだとすると完済するのは会社員なら退職が迫っています。

しかし、退職金でローン完済しようと考えると破綻リスクが高くなります。


住宅ローン完済直後の貯蓄額は一般に退職金を含めて 3000万円くらい必要といわれています。

たとえば夫 65歳以上、妻 60歳以上で無職世帯の場合、生活費が 30年間で約 1944万円不足するという調査結果があります(2016年度・総務省調べ)。

それ以外にも医療費や介護費、リフォーム代などのために、約 1,000万円は用意しておいた方が安心です。


住宅ローンを多く借りすぎたために貯蓄ができず、十分な老後資金を準備できなかったというケースも少なくありません。

ライフプランで資金計画とチェックし、老後資金のための目標貯蓄額を決めましょう。



住宅ローンの借入可能額を知りたいのならダミー物件を利用するべき

住宅ローンの借入可能額を知りたいのならダミー物件を利用するべき

マイホームを購入するとき、ほとんどの方は住宅ローンを利用することになります。

住宅ローンの借入額には上限があるため、それを考慮して物件を選ぶことになるのですが、この上限はさまざまな要因によって左右されるため、素人が詳細な数字を出すのが難しいのです。


そこで利用したのが「ダミー物件」です。


ダミー物件で事前審査を受ける方法もある

自身が購入しようとする物件で、希望借入額の融資が下りるか不安な場合、金融機関のシミュレーションで、おおよその金額を調べることができますが、より実際に近い金額を調べる方法として、ダミー物件で事前審査を受けておく手があります。


その際に大切なのは、ダミー物件は自分が検討している物件のある土地・土地の広さなどが似ているものを選ぶことです。

担保評価額が希望物件と同様になっていないと、条件が変わってしまい、当然その審査結果も参考にならないからです。


特に「土地が広く、建物が小さい物件」をダミーにしておいて、実際に購入しようとしている物件が「土地が狭く建物が大きい物件」になった場合、担保評価が違いすぎて借入可能額の参考にまったくなりません。


逆に希望の物件とよく似た条件のダミー物件で事前審査を受けた結果、希望借入額に届いていれば、実際の審査でも同様の評価が期待できるので安心です。


土地と建物の担保評価

借入可能額を大きく左右する要因に、「担保評価」があります。


土地の担保評価は、下表のように「調整区域と市街化区域」「路線価・公示地価・基準地価」「税評価」といった点から評価されます。

建物がある土地が実際に取引される価格などをもとに評価額を算出します。


土地評価の方法

調整区域と
市街化区域
・調整区域:市街化調整区域ともいう。原則として都市開発を行わない土地で、開発をする場合は都道府県知事の許可が必要。住宅ローンの借入は難しい
・市街化区域:すでに市街地となっている区域で、公共施設などの建設が可能。一般の住居建設などを規制する用途地域が定められている
路線価・
公示地価・
基準地価
・路線価:最も多く使われる土地評価の指標で、相続税路線価とも呼ばれる
・公示地価:国土交通省により毎年 3月に発表される。実際に売買取引される価格に近いが、金融機関はリスクをとって80%を水準とする。ただし、商業地域など発展性が見込まれる場合などは 10%評価を上げることもある
・基準地価:都道府県が公表する地価をもとに、国土交通省が毎年 9月に発表する土地取引の指標。公示地価の70%くらいで公示地価を補完するのに用いられる
税評価 ・個性資産税評価額:土地課税台帳などに記載され価格で、一般的に土地は時価の70%程度、建物は建築費の 50 ~ 70%程度になるといわれている


一方、建物の担保評価では再調達価格を算出します。


再調達価格とは、簡単に言えば、現在の価格で同じものを調達しようとしたらいくらになるかというもの。

算出するにあたっては地域と構造の違いによって、平米単価に一定の基準が設けられています(下表)。

建物の再調達価格(単位:千円/㎡)

工法 10大都市圏 へき地を除く市政地域 旧町村制地域
RC造 275 250 220
鉄骨造 245 230 200
2×4 225 205 180
木造 195 165 140

建物価格の求め方

建物価格=再調達価格×延べ床面積×残存年数÷法定耐用年数


つまり、鉄筋コンクリート造(RC造)➝鉄骨造➝2×4(ツーバイフォー)➝木造本来工法の順に、だんだん評価は下がります。


なお、担保評価では内装やインテイリアは関係ありません。

華美に飾られて高額な家よりもRC造で低コストな内装の家のほうが、販売価格に対する担保評価が高いので、住宅ローンを借りやすいといえます。


木造の中古物件の場合、担保評価は築後の経過年数に応じて減額されていき、築後 25年で償却し評価額はゼロになります。

その点から、新築に比べると借入額を多くするのは難しい傾向にあります。



提携ローンの仕組みとメリット・デメリットをわかりやすく解説

提携ローンの仕組みとメリット・デメリットをわかりやすく解説

この記事では、「提携ローンのメリット・デメリット」について解説していきます。


住宅ローンの返済は高額で長期にわたるため、0.1%の金利差でも総返済額に大きな総額が生じてしまいます。

物件を紹介する不動産会社等はの多くは提携するローンをすすめてきますが、希望する商品が「提携ローン」になければ、「非提携ローン」に自分で申し込みましょう。



提携ローンは手間を省ける

不動産会社やハウスメーカーなどが金融機関と提携して取り扱う住宅ローンを一般的に提携ローンと呼びます。

提携ローンは、金融機関が販売会社や不動産会社の信用度や物件の担保評価を確認したうえで、その会社の顧客向けに提供する商品です。


たとえば、新築マンションの場合、物件についての審査は済んでいるので、ローンの借り手が収入や勤続年数などの融資条件さえ満たしていれば、自分で選ぶ非提携ローンよりも比較的借りやすいといえます。


また、自分で同じ金融機関から借りるよりも、金利の引き下げ幅が大きくなる場合もあります。

より低金利で借り入れできるということは、総返済額を下げることにつながります。


契約にかかる手間を軽減できるのもメリットです。

非提携ローンでは、金融機関の窓口での相談をはじめ、申し込みに必要な各種書類などをすべて用意し、自分で金融機関へ足を運ばなければいけません。


一方、提携ローンは書類の提出など、手続きは基本的に販売会社や不動産会社が行います(ただし代行料金が発生)。

物件に関する資料の準備などもしてくれますし、融資実行までのスケジュール管理もお任せにできます。




提携ローンをすすめてくるのは業者の都合

提携ローンは便利で楽すが、自分にとってベストな商品であるとは限りません。

そんな場合は遠慮なく、非提携ローンを申し込んでみましょう。


提携ローンで用意されているのは、多くの場合、変動金利型の住宅ローンです。

その理由は明白で、現状、金利3タイプの中で変動金利が一番低金利のため、借入可能額が増えて審査に通りやすいからです。


つまり、販売会社は家を買ってもらうために提携ローンをすすめているだけであって、家を買ってもらえさえすれば、どこで、どんな住宅ローンを組もうと、基本的にはどうでもいいのです。


なお、提携ローンによく似たものに「職域ローン」というものがあります。

「勤務先提携ローン」とも呼ばれ、文字どおり、自分の勤務先と金融機関が提携しているものです。

金利がお得になるケースもあるので、総務課などに問い合わせてみましょう。


誰かに勧められたからといって簡単に決めるのではなく、自分の描く返済計画をベースに選ぶことが大切です。




提携ローンのメリット・デメリット

メリット ・審査に比較的通りやすく、審査期間も短い。借入可能額を最大限にしてもらいやすい
・自分で同じ金融機関に申し込むより、金利の引き下げ幅が大きいこともある
・物件の書類の準備などの手間を軽減できる
・金融機関に何度も足を運ぶ必要がなくなる
・融資実行までのスケジュール管理をお任せにできる
デメリット ・自分が利用したい住宅ローンがあるとは限らない
・自分が望むプランを選べない
・多くの場合、金利は変動金利なので、金利上昇のリスクを負うことになる
・ほかの金融機関で利用できる住宅ローンのメリットを失いかねない
・代行料金がかかる



新規借り入れ時の金利交渉の注意点

新規借り入れ時の金利交渉の注意点

住宅ローンの返済は長期にわたるため、僅かな金利差でも総返済額に100万円以上の差が生じることもあります。

そのため、適用される金利は 0.1%でも低くしたいところです。


金利交渉は借り換えと同じタイミング行われやすいため、新規借り入れ時に行うことは盲点かもしれません。



金利引き下げ交渉はやってみる価値あり

住宅ローンの金利の引き下げ交渉ができることを知らない人は多いと思われますが、新規借り入れ時でも応じてくれることがあります。

昨今、借り換えが人気なのは、借り手側のやり方しだいでは、より安い金利を選べるようになっているせいもあるでしょう。


各金融機関が競合他社に負けじと、顧客獲得の競争も激化していることもあるので、チャレンジしてみる価値はあります。

相手も商売ですから、ある程度の無理を聞いてくれるかもしれません。


ただし、一人で交渉しようと思うと、年収や勤務先などによってハードルは高くなります。

その点、提携ローンを使う場合などには、金融機関と販売会社の取引状況によっては、希望を聞いてくれやすいでしょう。


交渉手段としては、ほかの金融機関で審査に通過し、安い金利を提示されているという話をすると、優遇幅の範囲内であれば、聞いてくれやすくなる場合もあります。

また、給与の振込口座があったり、自己資金が2割以上あったりするなどの諸条件が加われば、可能性は高まります。


とはいえ、金融機関や借入条件によって差があることは確かです。

中でもネット銀行の安い金利を引き合いに出しても意味がありません。

自分自身の過去にほかの借入先で延滞などがなかったかなど、確認することも必要です。



金利交渉するときの注意点

注意したいのは、今の住宅ローンの超低金利は金融機関にとって採算が合うギリギリのラインだということです。

金利交渉できるのは、店頭金利からの引き下げ幅の範囲内になります。


新規借り入れの場合、金利交渉の成功率は高くありませんが、「ダメもと」で割り切るくらいの気持ちでチャレンジしてみるといいかもしれません。

交渉時期が 4月や 10月などの決算期の前で、ノルマ達成の時期に重なっている場合などはチャンスです。


交渉しやすい金融機関を順に挙げると、信金・信組➝ 地銀など➝ 都銀の一部などとなります。

逆に、ほぼ不可能と思われるのは、労金、ネット銀行などです。

中でも人気のある商品の固定 10年などはまったく交渉できないケースもあります。




住宅ローンの返済方法は「元利均等返済」にするべき理由

住宅ローンの返済方法は「元利均等返済」にするべき理由

住宅ローンを借りるときに頭を悩ませる問題として、ローンの返済方法に2つの選択肢があることです。

  • 元金均等返済
  • 元利均等返済

上記のいずれかを選択することになりますが、ぞれぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが優れているというわけではないのですが、多くの一般家庭におすすめしたいのが「元利均等返済」です。


元利均等返済を選択するのが一般的

住宅ローンは現役のうちに完済することが老後破綻するリスクを少なくするために重要です。

そのためには住宅ローンを借りるときに、自分に合った返済計画を選ぶことが大事になります。


住宅ローンを返済するには、「元金均等返済」と「元利均等返済」という2つの方法があって、どちらかを選べるようになっています。


「元金均等返済」は当初の返済額は大きくなりますが、元金の減りが早いため、総返済額は「元利均等返済」より少なくなります。


そのため、「元金均等返済」のほうが早く返せてお得と思うかもしれませんが、一般の家庭にとって当初の返済負担が大きくなることや、毎月の返済額が一定ではないので、家計管理が難しくなるのがデメリットといえます。


こうした点から、「元金均等返済」は本来、事業資金の融資のために使われるのが一般的なのです。


ですから、無理をして「元金均等返済」を選択するよりも、返済計画を立てやすい「元利均等返済」で着実に返していくことを選ぶ方が安全なのです。




元金均等返済と同じ効果を得る方法

利息を早く少なくできるという理由で「元金均等返済」を選ぶのなら、「元利均等返済」を選んだ場合でも同じような効果を得る方法があるということを知っておくとよいでしょう。


それは、期間短縮型の繰り上げ返済を併用し、継続して返済していくことによって、「元金均等返済」の場合と同じような利息負担に近づける方法です。


「元金均等返済」では返済のために家計が圧迫され余裕がなくなる恐れがありますが、「元利均等返済+繰り上げ返済」にすれば、余裕のないときは返済を保留することもできますし、減額して繰り上げ返済するなど、家計のやりくりが可能になります。


ただし、この返済方法のデメリットは、きちんと貯蓄をしていかないと、繰り上げ返済がおろそかになりがちなことです。


当然、繰り上げ返済を怠ったぶんの利息はかさむことになります。


「元利均等返済」で毎月返済額を一定に保ちつつ、少しずつでも貯蓄していく習慣を身につけることも大切です。




元利均等返済+繰り上げ返済の効果

借入金額3,000万円、全期間固定金利1.5%、返済期間35年。

➝ 借入から10年後、15年後に100万円の繰り上げ返済をした場合

  元利均等返済 元金均等返済 繰上げ返済あり
返済額軽減型 期間短縮型
毎月
返済額
返済当初 91,855円 108,928円 91,855円 91,855円
繰り上げ返済後 87,788円 91,855円
返済期間 35年 35年 35年 32年7月
利息分 約858万円 約789万円 約823万円 約785万円
返済総額 約3,858万円 約3,789万円 約3,823万円 約3,785万円
元金均等返済との差 約69万円   約34万円 約-4.8万円


「元利均等返済」は、期間短縮型の繰り上げ返済を行うことで、「元金均等返済」との差額はプラス約69万円からマイナス約4万8,000円になります。



頭金0円で借りて、手元に資金を残すメリットを解説

住宅ローンを100%借りて、手元に資金を残すメリットを解説

住宅ローンを借りるときの問題に、購入金額の何割を借り入れるか…という悩みがあります。

借入金額には金利が発生するのため、多くの頭金を用意してできるだけ借入金額を少なくしたいと考える人が多いですが、必ずしもその決断が利用者の利益になるとは言い切れません。


住宅ローン破綻を招かないためにも、家族のライフプランを策定し、堅実な返済計画を立てることがなによりも重要です。


頭金ゼロでローンを組む選択肢もある

住宅ローンを借りる際の、頭金に対する考え方も変わってきています。

かつて住宅ローン金利が高かった時代には、少しでも多くの頭金を用意して毎月返済額を抑えるのが常識でした。


現在でも自己資金として、購入額の3割ほどを用意する人が多いです。

しかしフラット35では、頭金は1割に満たなくても借り入れが可能です。

そのほかの金融機関でも、頭金を〇割用意しないと融資しないという決まりはありません。


そこで、無理してまとまった額の頭金を用意するよりも、全額ローンを検討するのも選択肢の一つとなります。


頭金が少ない場合に金融機関が重視するのは、まず十分な貯蓄があるかどうかです。

つまり、資金管理がきちんと行えることを証明できれば問題はありません。


次に重視されるのは、将来の資金使途が決まっていることです。

たとえば、子どもの教育費として手元に現金を残しておきたいなどと、はっきり説明できることです。


問題は頭金の「ある・なし」ではなく、十分な貯蓄があるかどうか。

そして、資金運用についての計画性があれば、金融機関も真剣に対応してくれます。




手元に残した資金の使い道

住宅ローンの誓約書にもある「期限の利益」の意味を知っておきましょう。

これは「返済期限まではお金を返さなくていい」という、借り手の ”権利” を表すものですが、これは金融機関から見れば、借り手に利益を与える認識なのです。

つまり、長い間、お金を借りられるというのも、借り手の利益なのです。


上記のことからも、あえて「借りられるだけ借りておく」という考えは奇をてらったものではないことがわかると思います。


住宅ローンほど金利の安い商品はほかにないわけですから、少なくとも無理をして毎月返済額を増やして、借入額を減らそうとするような計画は賢い方法とはいえません。

さらに積極的に考えるならば、手元に残したお金を資産運用に回すという手もあります。


ただし、手元にお金があることで、貯蓄の手綱が緩むようであれば、当然リスクを高めることになります。

住宅ローン減税一つとってみても、減税分を貯蓄に回す発想があるかどうかで将来は大きく変わってしまいます。


無理な返済計画で失敗する人もいれば、手元に資金があることに油断して失敗する人もいます。

長丁場での損得の話ですので、いずれにしてもよく考えて行動しましょう。


ライフプランを策定して、返済計画を "見える化" しておくのもよいかもしれません。




頭金と返済期間による総返済額の比較

借入金額3,000万円、全期間固定金利1.5%、返済期間35年

頭金 0円 300万円 300万円
借入金額 3,000万円 2,700万円 2,700万円
返済期間 35年 35年 30年
毎月返済額 91,855円 82,669円 93,182円
総返済額 約3,858万円 約3,772万円 約3,655万円


同じ返済期間の場合、頭金1割の差で総返済額に約86万円の差があるが、仮に頭金の300万円を貯めるのに、家賃8万円の賃料で3年かかったとすると、8万×12ヶ月×3年=約288万円ものコストになります。

実質、3年待って約200万円もの損に。



リフォームを行う場合は住宅ローンとまとめて借りるとお得

リフォームを行う場合は住宅ローンとまとめて借りると得

新築住宅や中古物件を購入して、そのまま住むのなら難しいことは無いのですが、リフォームするとなると問題が出てきます。

借入費用をどのように用意するのか…という問題です。


この記事を読めば、リフォーム一体型ローンについて知ることができます。


リフォーム一体型の住宅ローンとは

数年前まではリフォーム資金を借り入れるには、住宅ローンとは別にリフォームローンを組むしかありませんでした。

しかし、リフォームローンは住宅ローンと違って無担保が基本となるため、金利が 4%程度と高く、一方で返済期間は 7~ 15年と短いこともあり、返済負担が大きくなる問題点がありました。


さらに、中古は安いのが魅力ですが、担保価値を低く評価されてしまうので、ローンを組むときは一定額以上の頭金が必要になります。

住宅ローンを借りる金融機関でリフォーム費用も併せて借りる場合、希望借入額から減額されるのが通常でした。


そういった背景があり、ここ数年はリフォームへのニーズに応える形で、リフォーム一体型の住宅ローンの普及が図られるようになっています。

購入額とリフォーム工事費の合計額までの借入が可能で、金利や返済期間は最長 35年など、住宅ローンと同等の融資を受けられるようになっています。


このような変化もあって、築年数は古くても床面積が広く間取りの変更ができる物件を購入してリノベーションをする人も増えてきています。



リフォーム一体型ローンの流れと注意点

リフォーム一体型ローンの借入までの一般的な流れを解説していきます。

物件購入後、リフォームを行い引渡日に住宅ローンの融資実行。

リフォーム業者へのつなぎ融資を行った場合は、住宅ローンの借入金で返済し、借入金は住宅ローンに一本化されます。


現在、リフォーム一体型ローンを扱う銀行は、みずほ銀行、りそな銀行、新生銀行、ソニー銀行などです。

フラット35でも「リフォーム一体型」「リノベ」といった商品が、三井住友信託銀行、ARUHI、ジェイ・モーゲージバンクなどで利用できます。


金融機関によっては、こうした商品がない場合でも、リフォーム費を併せた借り入れについて相談に乗ってくれることもあります。


注意点としては、リフォーム済みの物件を選ぶ場合です。

自社施工ができる販売会社の物件は相場より安い傾向にありますが、一方で業者を使ってリフォームした物件はそのぶん高めの価格設定になるので、担保評価を上回ってしまうケースが出てきてしまいます。


そのため、借入可能額は低く設定され、自己資金(頭金)が必要になる場合もあります。



従来のリフォームローンとリフォーム一体型の比較

購入資金2,000万円、リフォーム資金500万円の場合


〈従来型〉

商品名 借入額 月々の返済額 金利 返済期間
住宅ローン 2,000万円 57,205円 固定1.08% 35年
リフォームローン 500万円 29,107円 変動0.625% 15年
合計 2,500万円 86,312円  


〈リフォーム一体型〉

商品名 借入額 月々の返済額 金利 返済期間
一体型 2,500万円 71,507円 固定1.08% 35年


従来型よりも一体型を利用したほうが、月々の支払いを約15,000円抑えられます。



住宅ローンの「ボーナス払い」や「退職金での完済」を避けるべき理由

住宅ローンの「ボーナス払い」や「退職金での完済」を避けるべき理由

住宅ローンを借りるときは、無理のない返済計画を立てることが何よりも重要です。

返済期間は繰り上げ返済などにより短くすることはできますが、長くすることは基本的にできません。


特に気をつけたいのが、「ボーナス払い」と「退職金での完済」です。

上記の2つを返済プランに組み込む場合は、特に注意して下さい。

無理な返済プランを立てると住宅ローン破綻を招いてしまいます。


ボーナスは不確実性が高い

住宅ローンの返済方法には、毎月一定額を返済する方法と、ボーナス月はいつもの月より多く返済する「ボーナス併用払い」の方法があります。


たしかに、ボーナス併用払いを利用した場合、毎月返済額を低く抑えることができます。

しかし、ボーナス併用払いには、大きなデメリットがあります。

今やボーナスは必ずもらえるものではないという事実です。

大手企業でも業績が悪化し、数年後にはどうなるかわかりません。

また転職した会社ではボーナスが出ないかもしれません。


もし、「ボーナスは必ず出続ける」または「転職も絶対しない」といった勤務先(=公務員など)で、自分で貯蓄や余剰資金の確認をするのが面倒、または繰り上げ返済のスケジュール管理が苦手というなら利用してもいいかもしれません。


理想的な住宅ローンの返済の仕方は、リスクを下げながら効果も得られるようにすることです。

つまり、ボーナス併用払いはせずに、そのぶんの貯蓄に回し、ライフプランに基づいて繰り上げ返済を行っているのが理想といえます。


このように、手間をかければかけるほど、住宅ローンは安全に返済額を減らしていけるのです。




ボーナス併用払いには注意が必要

  ボーナス20%の場合 毎月均等返済の場合
変動金利 0.7% 0.7%
借入金額 3,000万円 3,000万円
返済期間 35年 35年
毎月返済額 64,444円 80,556円
ボーナス時加算額 161,235円 0円
総返済額 約3,384万円 約3,383万円


基本はボーナスを貯蓄に回してライフプランに基づいた繰り上げ返済をすることが重要。

安定したボーナスが見込める人なら、無理なく支払える毎月返済額とボーナス併用払いで、返済負担を軽減できます。


退職金を当てにするのは危険

住宅ローンの完済に退職金を当てる方がいますが、大変危険な返済計画と言わざるを得ません。

住宅ローンを退職金で完済することを想定していると、老後生活は老齢基礎年金や老齢厚生年金のみで生計を立てることになります。

ゆとりある老後資金の貯蓄があればいいのですが、現実には 70歳代後半あたりで家計が破綻するケースが多くなっています。


特に夫に先立たれて妻だけになると、遺族年金があっても年金収入が大きく減ってしまい、この傾向はより顕著になります。

公的年金に加えて企業年金を受給予定の人も、破綻が 4,5年先に伸びるだけにすぎません。

退職金は老後資金として残す前提で、住宅ローンを借りるようにしましょう。


そのためには返済プランの前に、ライフプランを策定して何よりも現役中(就労中)に完済できる額を上限に融資を受けることが大切です。




希望借入額に不足する場合は夫婦での収入合算がある

【住宅ローン】希望借入額に不足する場合は夫婦での収入合算がある

目当ての物件が決まり、住宅ローンを組もうと思っても希望した金額を借り入れられるとは限りません。

もしも借入可能額が物件購入に不足したとしても諦める必要はありません。


夫婦で収入合算をすれば借入可能額を増やすことができ、希望する物件を購入できるかもしれません。


収入合算をすれば借入可能額を増やせる

住宅ローンは申込者の収入などが基準にあり、借入可能額が決まります。

特に自己資金が少ない場合など、希望の融資額に届かないケースも考えられます。


この場合、金融機関によって差がありますが、対応策として「収入合算」という方法があります。


この収入合算とは、申込者の収入に、ほかの人の収入を合計して借入可能額を増やす方法です。

たとえば、夫婦2人の収入の合計額をもとに借入可能額が計算されるため、融資枠は広がります。


ここでいう「ほかの人」とは、同居している夫婦や親子(義理の親子関係も含む)のことを指します(収入合算できる対象者は商品によって異なります)。


また、収入合算できる金額は、金融機関ごとに違いがあります。

たとえば、「申込者の収入2分の1まで」「合算者の収入全部」などのように決められています。


正社員として雇われていて収入なども安定していれば合算できる場合もあります。

条件や審査のポイントは、金融機関によってさまざまなので、あらかじめ確認しましょう。



返済の責任を連帯保証することになる

夫婦の収入を合算して住宅ローンを組む場合、お互いの権利関係を理解しておくことが重要です。


収入合算を支払い義務の点からみると、夫婦のどちらかが主債務者、もう一方が連帯保証となって、返済が滞った場合には連帯保証人が債務者と同等の義務を負って、返済を保証しなければいけません。


なお、注意したいのは、連帯保証人は物件の持分を保有する必要はなく、団体信用生命保険への加入もできないことです。

もちろん住宅ローン控除を受けることもできません。


このように連帯保証人は返済の責任を保証するだけで、何の権利も主張できませんから、申し込みは慎重に検討する必要があります。

特に離婚の際の財産分与などでトラブルになることも多いので十分な注意が必要です。


また育休中は合算できない場合や、パートは合算できない場合が多く、合算できたとしても合算対象者の2分の1として評価されることもあり、必ずしも無条件で合算できるわけではないことを知っておきましょう。



共働きならペアローンで住宅ローン控除を2人とも享受できる

共働きならペアローンで住宅ローン控除を2人とも享受できる

住宅ローンの利用方法にペアローンというものがあります。

ペアローンは2人で住宅ローンを借り入れるため、住宅ローン控除を2人とも享受できるというメリットがあります。

しかし、デメリットも存在します。


この記事を読めば、ペアローンのメリット・デメリットを知ることができます。


夫婦で2本の住宅ローンを組む方法

希望借入額を増やす方法には、夫婦等による「収入合算」という方法がありますが、そのほかに1つの物件に対して、夫婦それぞれに2本のローンを組むのが「ペアローン」があります。


夫婦それぞれの収入に対して、借入可能額が計算されるため、1人でローンを組むより、借入可能額は大きくなります。

ローンの支払額に応じて持ち分を設定することになり、返済義務は夫にも妻にも発生します。

そのため、どちらか一方が返済できない場合には、返済の責任を負うことになります。


注意したいのは、家計の収入が減ってしまうことです。

妻が返済期間中に正社員であり続けたとしても、親の介護などでやむを得ず働けなくなることも考えられます。

よって、借入額を決める前に、夫1人の収入でも返済できるか、妻はローン完済まで働き続けられる環境にあるかなど、慎重に検討しましょう。


どちらか一方の名義で借り入れをする連帯保証や連帯債務の場合と違い、住宅ローンは2本になるため、住宅ローンの事務手数料や契約の印紙代などのコストはそれぞれ必要になります。


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収入合算するローン契約による違い

借入方法 ローン契約上の立場 住宅ローン控除 団体信用生命保険
連帯債務 借入者 連帯債務者 ×
連帯保証 借入者 連帯保証人 × ×
ペアローン 借入者かつ
妻の保証人
借入者かつ
夫の連帯保証人



ペアローンのメリット・デメリット

ペアローンでは、住宅ローン控除もそれぞれの借入額に応じて、別々に受けることができます。

そのため、高所得世帯であるほど、かつ高額物件を購入する場合ほど、控除のメリットを享受しやすいといえます。


ただし、デメリットもあります。


まず物件の名義を夫婦で共有とすることから、借入額の按分に即した持分としないと贈与税が発生する可能性があります。

さらに離婚した場合、大変にもけることが多いといったことが挙げられます。


団体信用生命保険は夫婦2人が対象となり、亡くなった人のぶんだけ住宅ローンは完済されます。


なお「連帯保証」や「連載債務」では、団信の対象は主たる債務者になるので、対象にならない人はほかの生命保険をかけておきましょう。

フラット35で利用できる団信の特約制度「デュエット(夫婦連生団信)」では、連帯政務者である夫婦2人が保険対象となり、2人分の保障が受けられます。

保険料は1人加入の場合の約1.56倍と高めですが、どちらかに万一のことがあれば、借入残高は免除されます。




親子ペアローンと親子リレーローンの違い

【住宅ローン】親子ペアローンと親子リレーローンの違い

親子2人で住宅ローンの責任を負うことになる借り方には、「親子ペアローン」と「親子リレーローン」というものがあります。

どちらも2人で借りることになるのですが、その違いはどこにあるのでしょうか。


この記事を読めば、双方のメリット・デメリットを知ることができます。


二世帯住宅に最適な「親子ペアローン」

同居する親と子(義理でも可)が「ペアローン」や「リレーローン」を利用することによって、借入可能額を増やせる可能性があります。


「親子ペアローン」は夫婦の場合と同様に、1つの物件に対して、親子とがそれぞれの収入に対してローンを組む方法です。


たとえば高齢で収入も限られる老夫婦が子供と家族と二世帯住宅を建てたいときなど、住宅ローンを一緒に借入れることで、融資額を広げることが可能です。


また、返済負担分に応じて、親子双方に住宅ローン控除が適用されます。

団体信用生命保険はそれぞれが加入して、親が死亡したときには、親の債務は免除されますが、子の債務は残ることになります。


ただし、親子ペアローンを取り扱う金融機関は限られるうえに審査も厳しくなる傾向にあります。




借入期間を長くできる「親子リレーローン」

一方の「親子リレーローン」は、親が主債務者となり、子が連帯債務者となってローンを組む方法です。


親子の収入を合算し、毎月返済額を抑えることで希望の借入額を受けることが可能になります。

最初は親から返済が始まり、将来的に子を後継者として引き継ぐことになります。


親子リレーローンの最大のメリットは、子の年齢を基準にするため借入期間を長くできることです。

たとえば子が 44歳以下であれば 35年返済が可能になります(子が学生やフリーターなどの場合は、原則、借りられません)。


なお、返済がこの返済口座へと変わるタイミングは金融機関によって異なります。

団体信用生命保険の扱いも金融機関によりさまざまです。

子だけが加入になる場合、親の死亡時には子が残りの債務の全額に対して支払い義務を負うことになります。


また、住宅ローンは契約者が住むことが条件ですから、親と子の両方が当該の物件に住む必要があります。

さらに、将来子が別にマイホームを持ちたいと思っても、リレーローンを完済していないと、新たに住宅ローンは借りられません。

借り換えもしにくいので注意してください。

家は共同名義にするのが一般的ですが、登記や贈与税の問題が絡むので専門家に相談したほうがいいです。


親と子の二世帯で住宅ローンを返済していくため、借入時の金利が返済期間中ずっと固定される全期間固定金利型がおすすめです。




親子ペアローンと親子リレーローンの違い

  親子ペアローン 親子リレーローン
ローンの契約数 2本 1本
ローンの債務者 最初から双方で返済 最初は親、その後子が返済を引き継ぐ
団体信用生命保険 親子ともに加入 子が加入するのが一般的
住宅ローン控除 それぞれの負担割合分に応じて2人とも適用される 持分による返済負担分に応じて2人とも適用される
メリット ・親子でそれぞれの収入に対してローンを組むので、融資額を広げることが可能
・2本のローンなので親子とも住宅ローン控除が適用される
・子の年齢が基準になるので、親が高齢でもローンが組める
・返済期間を長くでき、毎月返済額を抑えることで単独債務よりも希望の融資額を受けやすい
・ローンを1本にできるので保証料、手数料が余計に発生しない
デメリット ・収入合算者は連帯保証人になり、主債務者が返済できなくなると返済義務を負うことになる
・2本のローンになるので諸費用が高めになる
・二世帯住宅に住んでいた親に財産がない場合、相続では兄弟ともめることがある(リレーローンも同様)
・団信への加入が子になる場合、親が亡くなっても全額の債務が残る
・子が将来、住宅ローンを組もうと思っても借りられないことがる
・借り換えがしにくい



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