この記事では、ファンダメンタル分析の一つ「固定長期適合率」について解説していきます。
固定長期適合率がわかれば、長期的な会社の安全性がわかり、安全な企業へ投資をすることができるようになります。
固定長期適合率は、企業の「安全性」がわかる経営指標です。
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固定長期適合率とは
固定長期適合率とは、長期的な視点から見て、会社の安全性を分析するための経営指標のひとつです。
「安全性」とは、負債を支払う能力があるかということです。
固定長期適合率は、固定資産を取得するための資金にどの程度「自己資本+長期の借入金」がかかっているのかが分かる指標です。
固定負債は長期間での返済が可能なため、自己資本には及ばないまでも安全性は高いとされています。
つまり、固定長期適合率が100%を下回っていれば、長期的な安全性に問題がない会社と判断することができます。
固定長期適合率の目安
固定長期適合率の目安は100%以下です。
100%を上回るということは、固定資産の購入に流動負債も用いていることになります。
流動負債は1年以内に返済をしなければいけないモノなので、流動負債を返済するために固定資産を切り売りしなければならない可能性もあります。
固定長期適合率の計算式
固定長期適合率の計算式は下記のとおりです。
$$固定長期適合率(%)=〔固定資産÷(自己資本+固定負債)〕×100$$
固定長期適合率は100%以下であれば一応、固定資産への投資は健全であるということになります。
固定長期適合率を実際に計算してみる
固定長期適合率を実際に計算してみましょう。
計算式に必要な「自己資本」「固定資産」「固定負債」は『貸借対照表』に記載されています。
貸借対照表は、会社のホームページへ行き、IR情報から確認できます。
今回は、トヨタ自動車の決算書を使って固定長期適合率を計算していきます。
2019年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)
$$〔568,156÷(20,565,210+13,144,801 )〕×100=31.69(%)$$
トヨタ自動車の固定長期適合率は31.69でした。
固定長期適合率の比較方法
固定長期適合率を他社と比較する方法を解説していきます。比較することで固定長期適合率の目安がわかります。
比較する会社には、ふさわしい会社を選ぶ必要があります。
比較会社は会社四季報で確認できる
目当ての会社を他社と比較するときに便利なのが、「会社四季報」です。
会社を比較するときに重要なのが、「同業種」であることと「会社規模」が近いことになります。
会社四季報には、上記の条件に当てはまるライバル企業を掲載しています。
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固定長期適合率を実際に比較してみる
固定長期適合率を使って実際に比較してみましょう。
トヨタ自動車の場合、比較会社は「日産自動車」「ホンダ」「スズキ」になります。
比較データは2019年の1年間です。
固定長期適合率(%)の比較 | |
トヨタ自動車 | 31.69 |
日産自動車 | 65.40 |
ホンダ | 90.53 |
スズキ | 86.29 |
まとめ
固定長期適合率とは、長期的な視点から見て、会社の安全性を分析するための経営指標です。
固定負債は長期間での返済が可能なため、自己資本には及ばないまでも安全性は高いとされています。
つまり、固定長期適合率が100%を下回っていれば、長期的な安全性に問題がない会社と判断することができます。
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