この記事では、キャッシュフロー計算書の「フリーキャッシュフロー」について解説していきます。
キャッシュフロー計算書は、損益計算書、貸借対照表と並び「財務三表」の一つとして重要視されています。
-
決算書の読み方がわかるようになる初心者におすすめの本5選
この記事では、「決算書の読み方がわかるようになる初心者におすすめの本」を紹介していきます。決算書が読めるようになれば企業の状態を知ることができ、安定した企業に就職できるようになったり、株式投資で利益を ...
続きを見る
フリーキャッシュフローとは
フリーキャッシュフローとは、「フリー」の文字通り会社が自由に使えるお金になります。
例えば、会社に1,000万円の現金があったとしても、そのお金が銀行からの借入金だとしたらどうでしょうか。
自社で稼ぎ出した1,000万円を持っているほうが、圧倒的に「自由」に使えるお金があるといえます。
キャッシュフロー計算書の最終の行に記入される「期末残高」も大事ですが、そこには借入れてきた現金も含まれています。
したがって、フリーキャッシュフローを見るためには、「期末残高」から借入れたお金を除く必要があり、さらに今の事業を維持するための資金を除く必要があるます。
フリーキャッシュフローは、キャッシュフロー計算書で代表的な経営指標ではありますが、キャッシュフロー計算書は導入されてから年月が経っていないため、経営分析での活躍において発展途上といえます。
フリーキャッシュフローの求め方(計算式)
フリーキャッシュフローは、営業キャッシュフローに投資キャッシュフローを足すことで簡易的に計算することができます。
投資キャッシュフローは今の事業を維持するためのものに限定されます。
$$500万円(営業CF)+△300万円(投資CF)=200万円(フリーCF)$$
優良な会社であれば投資キャッシュフローはマイナスになります。
フリーキャッシュフローのプラス・マイナスの意味
フリーキャッシュフローがプラスの会社
フリーキャッシュフローは、設備投資や、企業買収、配当金の支払い、借入金の返済など、おもに会社の成長・利益のために使われることになります。
つまり、フリーキャッシュフローの豊富な会社は優良であるといえます。
フリーキャッシュフローは、マイナスよりもプラスの方がよいですし、できるだけプラスが大きいほうが優良な会社です。
フリーキャッシュフローがマイナスの会社
フリーキャッシュフローがマイナスの場合は、手もとにお金がないことをあらわしています。
借入や、会社の資産を取り崩して会社を運営していくしかなく、この状態が続くと倒産の可能性もあります。
ただし、マイナスだから無条件でダメともいい切れません。
事業を成長させていくうえで積極的な設備投資をすれば、フリーキャッシュフローがマイナスになるタイミングもあります。
その後、投資が上手くいき、資金を回収できればフリーキャッシュフローがプラスに転じることもあります。
したがって、フリーキャッシュフローがずっとマイナスなのか、ある時期からマイナスに転じたのかを見極めて、その原因を探ることでより正確な判断が行えます。
また、会社の成長段階でも、どれだけフリーキャッシュフローを重視すべきかは異なるので、中長期的な視点で見ることも必要です。
フリーキャッシュフローの使い道で経営方針が見える
フリーキャッシュフローは自由に使えるお金です。何に使っているかで会社の経営方針が見えてきます。
使い道は大きく分けて下記の2つになります。
①:手もとに残す
②:お金を使う
それぞれの使い道を考えていきます。
手もとに残す
手もとに残すということは、何か起こった際に備える意味でも重要です。
会社で事業を続けて行く上では、商品に不備が見つかって回収騒ぎになったり、市場環境が悪化して売り上げが激減したりと、さまざまな予期せぬ事態が起こるものです。
フリーキャッシュフローを手もと残すという選択は、守りの経営として大事な考え方でもあります。
お金を使う
お金を使う場合であれば、フリーキャッシュフローによる新規の設備投資で新しい市場に参加したり、新しい事業を始めたりして、会社を成長させていくことが考えられます。
また、お金を使う場合であっても、借入金を前倒しで返済したり、自社株をかったりと、財務状態を改善する使い道もあります。
まとめ
フリーキャッシュフローとは、「フリー」の文字通り会社が自由に使えるお金になります。
フリーキャッシュフローは、設備投資や、企業買収、配当金の支払い、借入金の返済など、おもに会社の成長・利益のために使われることになります。
フリーキャッシュフローは、マイナスよりもプラスの方がよいですし、できるだけプラスが大きいほうが優良な会社です。
キャッシュフロー計算書 その他のエリア
キャッシュフロー計算書のその他のエリアを知りたい方は、下記のカード(URL)をクリックしてください。
-
営業キャッシュフローとは?営業キャッシュフローの内訳と見方【その①】
この記事では、キャッシュフロー計算書の「営業キャッシュフロー」について解説していきます。キャッシュフロー計算書は、損益計算書、貸借対照表と並び「財務三表」の一つとして重要視されています。 関連記事 ・ ...
続きを見る
-
投資キャッシュフローとは?投資キャッシュフローの内訳と意味【その②】
この記事では、キャッシュフロー計算書の「投資キャッシュフロー」について解説していきます。キャッシュフロー計算書は、損益計算書、貸借対照表と並び「財務三表」の一つとして重要視されています。 関連記事 ・ ...
続きを見る
-
財務キャッシュフローとは?財務キャッシュフローのプラスとマイナスの意味【その③】
この記事では、キャッシュフロー計算書の「財務キャッシュフロー」について解説していきます。キャッシュフロー計算書は、損益計算書、貸借対照表と並び「財務三表」の一つとして重要視されています。 関連記事 ・ ...
続きを見る